「結婚はどちらでもいいが子どもは欲しい」選択的シングルマザーになる女性の本音とリアル

“结婚无所谓,但是想要孩子”,成为有选择的单身母亲,她们的真实想法和现状。

この20年で母子世帯に占める“未婚の母”の割合が約2倍になった。海外の精子バンクを利用して結婚をせずに子を持つ選択をする女性も増えている。ライターの大塚玲子さんが世界最大の精子バンク、クリオス・インターナショナルの日本での利用状況を取材した――。

近20年来,“未婚母亲”在母子家庭中所占的比例约为2倍。越来越多的女性利用海外精子银行(精子库)选择不结婚生子。作家大冢玲子采访了世界上最大的精子库——克里奥斯国际在日本的使用情况。

■精子バンクという選択肢
結婚をせずに子どもをもつなんてちょっと……、と思う人もいるかもしれない。
だが「もしそれが可能なら、そうしたい」と思っている女性は少なくないだろう。筆者も若い頃、「結婚はどっちでもいいけれど、子どもは欲しい」とよく口にしていた。現実には未婚で子どもをもつ度胸も甲斐性もなく型通りに結婚して出産をしたが、早々に離婚することとなり、結果的には選択的シングルマザーとそれほど違いはなかった。

■精子银行这一选项
也许有人会觉得不结婚就有孩子有点那啥……
但是,估计不少女性会觉得“如果可能的话,我想这样做”吧。笔者年轻的时候也经常说“结不结婚无所谓,但是想要孩子”。现实中却没有未婚生子的胆量和价值,如果只是表面上结婚然后要个孩子,很快就会离婚了,结果和上述的单身母亲没有什么不同。

最近は日本でも、海外の精子バンクを利用して子どもをもつ人が増えている。国内では、日本産科婦人科学会の方針により、結婚している夫婦しか医療機関で精子提供を受けられないとされている。そのためネットで個人の精子提供ボランティアを探す人もいるが、感染症のリスクなどもあるため、精子バンクという選択肢が浮上してくる。
自らの選択でシングルマザーになるのは、どんな人たちなのだろうか。世界最大の精子バンク「クリオス・インターナショナル」(本社デンマーク)の日本窓口を担う、伊藤ひろみさんに話を聞かせてもらった。先行するヨーロッパの状況から、日本社会がこれから進むべき方向は見えてくるだろうか。

最近在日本,利用海外精子库生孩子的人也在增加。在国内,根据日本产科妇科学会的方针,只有结婚的夫妇才能在医疗机构接受精子提供。因此,也有人在网上寻找个人精子提供志愿者,但由于也有感染症的风险等,于是乎精子银行这个选项浮出水面。
而自愿选择成为单身母亲的是什么样的人呢?让我们来问问负责世界最大精子银行“克里奥斯国际”(总部丹麦)日本窗口的伊藤广美。从先行者欧洲的状况,我们能否看得出日本社会今后应该前进的方向吗?
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■利用者の約半数がシングル
クリオスでは、日本の窓口が開設された2019年2月から今日まで、国内で500人を超える女性が精子提供を受けた。このうち約半数が独身女性、つまり選択的シングルマザーだ。
ヨーロッパのクリオス利用者も同様に、約5割がシングル女性だという。残りの利用者は、日本では婚姻している夫婦が3~4割、同性カップルが1~2割だが、ヨーロッパではこの比率が逆転し、同性カップルのほうが多くなる。

■约半数的使用者是单身
在克里奥斯,从日本窗口开设的2019年2月到今天,国内有超过500名女性接受了精子提供。其中约半数是单身女性,也就是主动选择当单身母亲。
欧洲的克里奥斯使用者也一样,约5成是单身女性。剩下的利用者,在日本结婚的夫妇是3~4成,同性情侣是1~2成,不过,在欧洲这个比率反转,同性情侣比较多。
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「日本で窓口を始めた当初、シングルの方からのお問い合わせは毎月10名前後でしたが、いまは30名前後となっています。ただし婚姻している夫婦や、同性カップルのお問い合わせも同様に増えています」(伊藤さん、以下同)
利用者はどんな人たちなのか。ヨーロッパでは総じて、高学歴・高年収のいわゆるキャリア女性が多いが、日本ではあまりそうした傾向は見られない。年収も学歴も、幅広い層のシングル女性から問い合わせがあるという。

“日本窗口刚开设的时候,单身的咨询是每月10人左右,现在是30人左右。但是结婚的夫妇和同性情侣的咨询也同样增加了”(伊藤,以下同)
使用者都是什么样的人呢?在欧洲,总的来说,高学历、高年收入的所谓职业女性很多,但在日本却不怎么有这样的倾向。据说日本咨询的单身女性,从年收入到学历的跨度都是比较大的。

■精子バンクのセミナーに独身女性の親が参加
「とにかく子どもが欲しいけれどどうしていいかわからない、という方がたくさんいらっしゃるんでしょうね。親御さんから相談を受けることもあります。シングル向けのセミナーに『娘のことで』とお母さんが参加されたこともありますし、オンラインセミナーで『親とリンクを共有したい』と問い合わせをいただくこともあります」
ヨーロッパでは、ネットを通して個人で精子提供者を探すといったことは、起きていないのだろうか。
「ありますが、日本よりはずっと少ないと思います。たとえばデンマークやフランスは、シングルを含むあらゆる女性が医療機関で精子提供を受けられます。保険適用のため治療費もあまりかからないので、個人で精子提供者を探すというリスクの高い方法に頼る必要がないのです」

■单身女性的父母参加精子银行的研讨会
“总之,有很多人想要孩子却不知道该怎么办才好吧。有时我们也会接受一些父母的咨询,有时候举办网络研讨会,也有妈妈参加进来,说是因为自己的女儿想这么做,分享了我们研讨会的链接给父母。”
q:在欧洲,通过网络个人寻找精子提供者这样的事,没有发生过吗?
a:有,但比日本少得多。比如丹麦和法国,包括单身在内的所有女性都可以在医疗机构接受精子提供。因为适用保险,治疗费也不多,所以不需要依靠个人寻找精子提供者这种高风险方法。

■精子バンクの利用をオープンに語る女性たち
日本でも精子バンクを利用して子どもをもつシングル女性はいるものの、社会の偏見があるためか、利用したと公表する人を見かけることは少ない。ヨーロッパでは、もっとオープンに語られているのだろうか。
「そうですね、2、3年前には、デンマークで大臣をしていたシングルの国会議員が、精子バンクを使って妊娠したと発表しました。賛否両論あったようですが、概ねその選択は尊重され、受け入れられていました。キプロス島でも数年前に、国会議員が選択的シングルマザーになったことを公表しています。
どこの国にも『子どもには父親がいなければならない』と思っている層はいるでしょうから、そういう人からの批判はあるでしょう。ただ、ヨーロッパは子育て支援が充実している国が多く、シングルで子育てをしても経済的に困窮することが少ないため、『子どもがかわいそう』という見方をする人は、日本と比べるとずっと少ないと思います」

■公开谈论精子银行利用的女性们
在日本也有利用精子银行有孩子的单身女性,不过,也许是因为社会的偏见,公开表示自己使用的人很少。欧洲则是更开放地被谈论着吗?
“是的,2、3年前,在丹麦担任大臣的单身国会议员发表了使用精子银行怀孕的消息。虽然有赞成和反对两种意见,但大体上其选择受到尊重和接受。塞浦路斯岛也在几年前公布了国会议员自主选择成为单身母亲的消息的支持。
无论哪个国家都有认为“孩子必须有父亲”的人,所以才会有批判。但是,欧洲有很多育儿福利很充实的国家,即使是单身养育孩子,经济上也很少有困难,所以认为“孩子很可怜”的人和日本相比要少得多“

■日本で公表する人は少数派だが興味深い傾向が…
日本でも子育て支援が充実し、且つ世間の見方が変われば、選択的シングルマザーを選択し、公表する人が増えるのだろうか……? そう考えていると、伊藤さんが興味深い傾向を教えてくれた。
「利用者全体からすると少数ですが、日本にもかなり高所得で経済的に自立した選択的シングルマザーはいて、この人たちは周囲の批判をまったく気にしていません。海外経験やキャリアがあり、ご自身の選択に責任を取ることに慣れているので、『これは自分が選ぶことであって、他人にどうこう言われるような話ではない』という信念があるんですね。
なるほど、そこまでいくとスッキリしている。子どもをもつと決めたなら、その選択に誇りをもってほしいと筆者は思う。生まれてくる子どものためにこそ、だ。

■日本公开的人虽然是少数派,但有有趣的倾向…
如果日本育儿福利也充实,并且随着舆论的看法改变,自主选择成为单身母亲的人会增加吗?我不禁这么想,而伊藤先生告诉了我一个有趣的倾向。
“从全体来看,使用者虽然是少数,但日本也有收入相当高、经济独立的女性选择成为单身母亲,这些人完全不在意周围的批判。因为她们有海外经验和职业经验,习惯了对自己的选择负责,她们拥有‘这是自己选择的,不用管别人怎么说。’这样的信念。
确实,到了那种境界的话就会很洒脱。笔者认为,如果决定要有孩子的话,希望能为这个选择感到自豪,也是为了出生的孩子。

■子どもを産んでからパートナーを見つけるという手
なおデンマークでは、シングルで精子バンクを使って子どもを産み、そのあとでパートナーを見つける人も多いという。日本でもそういった人は、今後増えていくかもしれない。女性の出産リミットを考えたら、そのほうが理にかなっているだろう。日本では、出産は結婚前提で考えられているが、出産と結婚は切り離せるし、順序を入れ替えてもいい。出産の前に結婚を求めることが、出生率の低下を押し進めている面もあるはずだ。
伊藤さんは、選択的シングルマザーを検討する人たちを「貴重な存在だ」と指摘する。

■生了孩子之后再找对象
另外,在丹麦,单身女士使用精子银行生孩子,之后找到伴侣的人也很多。在日本,这样的人今后可能也会增加。考虑到女性的生育限制,这才是合理的吧。在日本,生育是以结婚为前提考虑的,但是生育和结婚是可以分开的,也可以更换顺序。在生孩子之前要求结婚,可能也是出生率低下的原因之一。
伊藤指出,这些自主成为单亲妈妈的人们是“珍贵的存在”。
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「そもそも社会のサポートがこれだけ薄いなか、自分でお金をかけて精子提供を受け、ひとりで子どもを育てようとしている人たちは、すごく貴重な存在ですよね。そこまで強く『子どもを産みたい』と思っている人は、今あまりいないわけですから。
そういう人たちを私は大切にしてほしいと思います。シングルでも困窮せずに子どもを育てられるような国は、誰もが子どもを育てやすい国であると言えると思うのです」
なお、厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯になった理由が「未婚」の割合は、2003年が約6%だったところ(離婚が約80%、死別が12%)、令和3年は約11%と、上昇傾向にある。未婚で子どもをもつ人は、社会が変われば、さらなる増加が予想される。

“本来社会的支持就少,还要自己花钱接受精子提供,一个人抚养孩子,这种人是非常珍贵的存在。因为现在很少有人这么强烈地想‘生孩子’”。
希望我们能珍惜这些人。如果那个国家即使是单身也能体面的地养育孩子,那就可以说是一个谁都能容易养育孩子的国家“
另外,根据厚生劳动省的“全国单亲家庭调查”,成为母子家庭的理由是“未婚”的比例,2003年约为6%(离婚约80%,死别12%),令和3年约为11%,呈上升趋势。如果社会发生变化,未婚生子的人,预计会有更多的增加。

■個人間の精子提供では「出自を知る権利」が吹き飛ぶリスク
「選択的シングルマザーになりたいという方は、潜在的にはとても多いと思うので、病院で精子提供を受けられる対象を、結婚している夫婦に制限しないでほしいですね。制限をすれば、シングルや同性カップルのほとんどは、ネットを通して個人間で精子提供を受けようとするでしょう。そうなると子どもの出自を知る権利が吹き飛んでしまうリスクがあります。生まれてくる子どもの立場から見て、それは決して望ましいことではないと思うんです」

■相比寻找个人精子提供,不会出现知道了身世后跑掉的风险
估计会有很多潜在的想自主成为单亲妈妈的人,所以我希望医院在提供精子的对象方面,不要限制在结婚的夫妇。如果限制的话,几乎所有的单身或同性情侣都只能通过网络在个人之间接受精子提供。这样的话,就有孩子知道了出身后会消失的风险。从出生的孩子的角度来看,我认为这绝对不是什么值得期待的事情

昨年出された特定生殖補助医療に関する法律案のたたき台では、病院で精子提供を受けられるのは結婚した夫婦のみが前提とされており、検討事項として「特定生殖補助医療の提供を受けることができる者の範囲は、法律の公布後5年を目途として検討」とある。精子提供を認める以上、誰でも治療を受けられるようにしなければ、生まれてくる子どもたちの人生にまで影響が及んでしまうのではないか。
誰が子どもをもつにせよ、生まれてくる子どもの福祉は最優先であってほしい。法案をめぐる今後の議論に注目していきたい。

在去年提出的有关特定生殖辅助医疗的法律方案的平台上,医院只给结婚的夫妇提供精子,对于接受特定生殖辅助医疗的人的范围,5年后才会进行讨论。既然承认提供精子,如果不让任何人接受治疗的话,会不会甚至影响到出生的孩子们的人生呢。
不管谁有孩子,我都希望出生的孩子的福利是最优先的。我想关注法案今后的讨论。